たまご屋爺さんの独り言 「お母さーん」

たまご屋爺さんの独り言 「お母さーん」

 

私は日本人でありながら「茶道」のことをまるで知らず恥ずかしい。

けれどお茶を飲むことは大好きだ、最近はもっぱら粉茶を愛用している。

茶の葉丸ごと粉にしたものを飲むのだから茶殻も出ないし身体にも良さそうだ。

こんな具合だから「茶道」どころではない。

 

ところで最近の朝日新聞裏千家十五代千宗室現在は引退して玄室)師97才が発言されていた。

 

師自身は戦時中特攻隊に志願し、死を覚悟して飛び立つ仲間のために羊羹を用意しお茶を点てた、するとその仲間は産まれ故郷の方を向き「うまいなあ、お母さーん」と叫んだ。

そして彼は一週間後出撃し戦死した、師自身は待機命令が出てそのまま終戦を迎えたと云う。

だがその一声が心残りで97歳なっても師にとってはまだ戦争は終わっていないと云われた。

 

まことに心打たれる話だ、同時に「お父さーん」でなく「お母さーん」であったことにも注目したい!

 

 

櫛挽(深谷市)にて

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