オランダの快老人

このところびっくりするような快老人に会うことが続いている。
クロアチア旅行で快老人の姉妹に会ってから大いに刺激を受けたらしく、地元埼玉県東松山市で行われている”日本スリーデーマーチ”に参加した、今年は30回の記念大会で、これは毎年11月の”文化の日”を中心に三日間続けて市の周辺の野山を歩きまわる大会である。
これは誰でも参加できるように、5Kmコース、10Km、20Km、30Km、50Kmコースを選ぶことが出来る。
参加者は子供から若者老人にいたるまで誰でもOK、別にタイムを競うわけでなく、疲れれば途中で止めることができる、日本全国は勿論、海外からの参加者も多い。

歩く相棒は同年代のKさんと60代はじめのFさん、、とにかく歩けるかどうか分からぬが、やってみようと20Kmコースを選んだ。
私自身は50代のころ一度この大会に参加して、足にマメが出来わずか一日でギブアップした嫌な記憶がある。
一日目は三人がつかず離れず一緒に歩いた、全国から参加した人たちは歩き慣れているらしく、同年代あるいはそれ以上と思われる人でもスイスイと私たちを追い抜いていく、最初のうちはむきになって付いて行ったが、半分も歩かないうちに足が痛くなってきた、Kさんと私は救護所に寄りマメの出来そうなところにテープをしてもらい、歩き続けた。
結局三日間20Kmを歩き通したのは若いFさんのみ、Kさんは仕事の都合で初日だけ、私は足が痛くなり二日目は休み、最終日にもう一度20Km歩いた、今度は担ぐ荷物を最小限にし、他人のペースに惑わされずゆっくり一人で歩いてようやくゴールに辿り着いた。

その道中のことであるが、前をひょろ高い外国人が木靴をはいてポカリポカリとゆっくり歩いている、丁度彼が休憩したとき私もつられて休んだ、聞けば彼は84歳であり、ここのスリーデーマーチにはもう十数回来ていると驚くことを言う、木靴のことを聞けば自分はオランダ人でありこの木靴はとても歩き易いと言う、私にすればこれで歩けば一時間もしないうちにマメが出来そうな代物だが彼には快適な履物らしい。

びっくりして彼に記念の写真を撮っても良いかと聞くと、木靴を前に出しポーズをとってくれた、あとで聞けばこの大会でも名物爺さんであるらしく、国際的な快老人であった。
オランダのナイメーヘン市では90年の歴史をもつフォーデーマーチがあるという、東松山市はここと姉妹都市の関係にあり、市民ぐるみ交流が続いている、何時の日にかと言っても、もうそんなに日が残されている訳ではないが、オランダの田舎町を歩いていることを想像するだけでも楽しくなる。