パシュパティイナート)の沈黙

パシュパティイナート、ここはネパール最大のヒンズー教寺院である、カトマンズー市の中心部からでも歩いていける。
パグマテイ川がすぐそばを流れており、これは遠くインドのガンジス川につながっている。

国民のやく8割がヒンズー教徒であるこの国では、この川岸にあるガート(火葬台)で薪で焼かれその灰をパグマテイ川に流してもらうのが最大の喜びであるという。
この寺院はヒンズー教徒以外内部には入れないが、このガートのところまでは入場料を払えば入れる。

見物者は対岸より静かにそれを見守るのだが、大きな薪で台を作りその上に原色の布に包まれた遺体が乗せられ火がつけられる、近親者と思われる人々がそれを取り囲む、原始的ではあるが厳かな雰囲気である。
ヒンズー教徒は輪廻転生を信じてお墓を作らない、遺骨を聖なる川に流さなければ輪廻転生せず、生前の行いが次に生まれ変わる先を決めるのだから、熱心に信心しなければならない。

立派なお墓を立てれば事足りるとしていることや、お墓を持つことによって安泰な日本のお寺さんのことを考えれば、よほど真面目に考えている。