たまご屋爺さんの独り言 それは中国卵の輸入から始まった(4)

たまご屋爺さんの独り言 それは中国卵の輸入から始まった(4)


 このシリーズは始めにも断ったようにこれは18年前に私の書いた記録である。
少しピント外れのところもあるが、その間世の中は大きく変わった。
今は米中貿易戦争真っ只中なのだ、それがどのように決着するのか私には予想もつかない。
さて記録を続けるが次回で最終回とする。

 <今から約80年前、養鶏の先人たちが怒涛のごとき中国卵の輸入に立ち向かい見事これを追い出した経過は既に述べた。時代は変わり「歴史は繰り返す」の例えのごとく現在またこの問題に直面している。

「良くて安い」中国産の野菜は消費者に受け入れられ、ますますそのシェア−を拡大している。ユニクロは日本の衣料ビジネスを変えてしまったし、家電、コンピュータにいたるまで中国抜きには考えられぬ。

50年前日本が「1ダラーブラウス」をもってアメリカに殴りこみをかけ繊維摩擦を引きおこし、ついで家電摩擦、自動車摩擦に発展していったことは記憶に新しい。そして日本は豊かになった。中国がWTO加盟を目指すのは日本のたどった成功物語を真似しようとしていることに他ならない、それも日本の10倍の規模で、、。中国が豊かになる為には自給自足体制をすてて、WTO体制(グローバルな経済競争)をとる道を選択をした。

商売になればブロイラーであれ、卵であれ何でも国をあげて売ってくるだろう。 いずれ中国は穀物を大量に輸入することになろう。かって日本韓国台湾が工業化を目指したとき豊かになると同時に穀物の輸入量は増大した。一人あたりの耕地面積は日本韓国台湾そして中国もたいして変わらないのだから。

このような状況下で日本の採卵養鶏が勝ち残るには先人以上の知恵と努力が必要になる。>