たまご屋爺さんの独り言 それは中国卵の輸入から始まった(5)

たまご屋爺さんの独り言 それは中国卵の輸入から始まった(5)

 

 米中貿易戦争に世界中が巻き込まれていずれが勝つにせよ経済的混乱は避けられない。

中国が現在以上の豊かさを望むのであれば、米国とも上手く付き合っていくほかは無い。

いまの中国は建国(1949)以来共産党独裁政権である。

この体制でいつまで持つのかわからぬが、とにかく力をつけた隣国とはこれからも上手く付き合わざるを得ない。

最終回となるが、本題に戻る。


<中国は政治体制は共産主義、経済の仕組みは資本主義という未だ誰も経う験したしたことがない壮大な実験にのりだした。経済の現場においては資本主義国以上に資本主義的手法がとられていると聞く、どちらが資本主義の国かわからない。「白くても黒くてもネズミを取るのは良い猫だ」、主義主張よりまず国民が豊かになる事が先と考えているのだろう。


随分まえになるが「農業は大賽に学べ」の大賽を訪ねたことがある。人民公社方式のモデルとなったところだ。スローガンは「自力更生」であり、ひどい荒地を開墾し生産をあげたことが全国のモデルとなったのだが私の眼にはあまりに貧しく見えたことを覚えている。「貧しさを平等に分かちあおう」の時代であった。


今の中国の指導者達は1959年から1961年にかけての「大飢饉」を忘れはしないであろう。「大躍進」政策の過ちにより3000万人の人が飢え死にし2億人が危機にさらされた。(レスターブラウン 誰が中国を養うのか?)


人民公社方式が行き詰まり、生産請負制に切り替えてから、耕地面積は変わっていないのに農産物の生産は飛躍的に伸びた。 働いただけ自分のものになる方式に中国の人は目の色を変えた。


東京オリンピック」(1964年)前の日本は貧しかった。しかし働けば確実に豊かになり安い賃金で夢中で働いた。 それがアメリカとの繊維摩擦を引き起こしついで家電、自動車摩擦につながっていく。しかし今度は日本が攻められる番でネギ、シイタケ摩擦に始まりやがて家電、コンピュータになるのだろうか?

 「北京オリンピック」(2008年)前の中国はまだ貧しいが働けば豊かになることで夢中になっている、丁度「東京オリンピック」前の日本のようだ。>了