北京の鶏卵事情

北京の鶏卵事情

鶏卵関係の業界紙を見ていたら「中国北京の鶏卵事情」というのがあった、今年の7月に鶏卵流通のプロ6名が北京を訪れその調査結果を報告したものだ、そのメンバーの方々に私は面識がある。もちろん短期間の調査で場所が限られているためそのすべてを語るには十分ではないが私にはとても興味深かった。
スーパーマーケットでは「カルフール」、「イトーヨーカドー」、「セブンイレブン」の報告があった、いずれも中国にとっては外資であり、中級あるいは高級の店に属するものでそこで売られるものは一般より値段が高く品質も良いとされている。
メンバーの人たちはそれらの店で鶏卵の販売価格を調べ、、実際に購入してホテルに戻り割卵してその品質を調べた。中国では卵を生で食べる習慣がない、そのため賞味期間が長く設定されている、生産農場によりまちまちで常温で30日冷蔵で45日前後であった、ちなみに日本では14日である。価格はパックのサイズ(15ヶ、18ヶ、20ヶ、24ヶ、30ヶ入り)によって異なるが、1ヶ9円から13円と言ったところ、ほとんど赤卵であり白卵はなくピンク卵が少々。
メンバーが一番驚いたのはその品質である、夏のさなかとはいえ購入したパックのなかにはすでに腐敗卵が1ヶ含まれていて、その他もすべて水溶卵であった、日本ではこの品質ではたちまち取引停止になるだろうという。
かって日本でもスーパーマーケットの勃興期、おなじような問題があったので他人事とは思えない、北京でも急速な改善が進むであろう。しかしひとつ中国との大きな違いは、日本は卵を生で食べる習慣がある、そのため鮮度について異常と思われるほど関心がある、彼らには無い。
日本がこれから迎えるであろう中国卵との競争にはこの視点がヒントになるかも知れない、報告書を読んでいてそう感じた。