たまご屋おやじの独り言 2001年11月

たまご屋おやじの独り言 2001年11月


26/November/01

米国からの家きん肉等の輸入停止解除 11/22

「米国からの家きん肉等の一時輸入停止措置について 11/9農水省」が13日ぶりに解除された。

国内は年末にむけて牛肉からのシフトで鶏肉が不足で価格が急騰している。更に中国,米国からの輸入禁止でパニック状態になっている。

多少政治的臭いがしないでもないが、11月22日に輸入停止が解除された。
トリインフルエンザは問題ないという理由で、、、、。

この情報はまだ農水省のホームページには11/24現在見ることは出来ない。おかしなことに海外のそれには、もうとっくに出ているのには驚かされる。国内を後回しにして海外に情報開示することもあるまい。

11/22AnimalNet
http://www.plant.uoguelph.ca/safefood/archives/animalnet-archives.htm  

19/November/01

新型インフルエンザウィルスの出現メカニズムと対策」北海道大学喜田宏先生

先日、有楽町の国際フォーラムで行われた「国際重要感染症研究の最前線」に参加した。 主催は生物系特定産業技術研究推進機構によるもので、議題はBSE口蹄疫、ニパウィルス、インフルエンザであった。

かなり専門的な話で良くわからなかったが、北海道大学の喜田宏先生が「新型インフルエンザウィルスの出現メカニズムと対策」について話された。

特に印象に残ったのは、
1.世界的な人のインフルエンザの流行を引き起こすウィルスは水禽,とりわけカモの腸内ウィルスに由来する。
2.カモのウィルスが家きん,動物(豚など)に伝播し、同時感染したウィルスとの遺伝子再集合体で人に感染したのが新型ウィルスである。
3.20世紀に新型ウィルスは4回出現して,そのたびに多くの人命が失われた。
4.カモに害をおよぼすことなく、受け継がれているウィルスはカモの渡りの中継地や越冬地で家きん,馬、豚,アザラシ、鯨、ミンクに感染する。
5.1997年香港、ニワトリの強毒H5N1は18人のヒトに直接し、6人が死亡した。分離されたウィルスはシベリアから飛来したカモのウィルスがニワトリに受け継がれる間に病原性を獲得したことが判った。
6.対策として、地球規模でカモ,家きん,豚のインフルエンザの疫学調査によるウィルス分布を明らかにする。そうすれば新型インフルエンザウィルスの予測が出来,ワクチンを用意できる。
7.既に国内でもWHOのもとにグローバルサーベイランス計画が進められている。

尚、喜田先生の別の場所での講演要録が
http://idsc.nih.go.jp/others/contents99/99kida.htmlにある。      

15/November/01

米国からの家きん肉等の一時輸入停止措置について 11/9農水省

同じく11月11日農水省のホームページ
http://www.maff.go.jp/work/press011112-01.pdf

米国コネチカット州の養鶏場の鳥インフルエンザ発生にともなう農水省の措置が出てます。
急に騒がしくなってきました。

14/November/01

中国産家きん肉からのニューカッスル病ウィルスの分離について 11/7農林省

11月11日農水省のホームページhttp://www.maff.go.jp/work/press011112-06.pdfによれば、

農水省は大量に輸入される中国産ブロイラーについてその一部をサンプリングして家きんペスト(強毒トリインフルエンザ)をチェックしている。
11月4日家きんペスト病原体ウィルスは発見されず、その代わりニュウカッスル病ウィルスが発見され、その地域からの日本への輸出は禁止された。  

13/November/01

AIで16000羽殺処分 USDA

いいニュースではありません、昨日のアメリカのニュースによれば、http://www.ctnow.com/news/local/statewire/hc-06081847.apds.m0897.bc-ct--chi

コネチカット州にトリインフルエンザ発生、USDAは16000羽のブロイラーを殺処分したとある。

この時期は渡り鳥によって世界中にビールスが振りまかれるので要注意と鳥取大学の大槻先生も云っておられた。
危険な伝染病が世界規模で動くのは渡り鳥のみなず人、物がグローバルに移動する時代の特徴です。

まず農場で出来ること
 野鳥を鶏舎にいれないこと。
 管理者以外の鶏舎出入り禁止。  

6/November/01

GM食品につきアメリカの成人1000人に電話インタヴュ−結果

今朝(11/5)の日本農業新聞、生研機構(BRAIN)の貝沼圭二理事がGM食品について英国NATURE誌(01.3/29号)の記事を紹介されていた。

内容はGM食品につきアメリカの成人1000人に電話インタヴュ−結果

1.アメリカ人の半数以上がGM食品を食べたくないと言っているが、20%の人々は既にGM食品を食べているのを知っていた。
2.調査した人々の25%はGM食品は安全でないと信じており、29%の人は安全と考えていた。
3.アメリカの食品店で売られている食品の50%以上がGM食品を含んでいると告げると、GM食品は安全であると信じる人々の割合は29%から48%に上がった。
4.1997年以来2億人を超える米国人が4年間GM食品を食しており、自己体験に基づいて判断した人々の考え方である。


日本農業新聞は今までどちらかと言えばアンチGM食品の論調が多かった。しかし今回現実を踏まえた貝沼理GM論議を取り上げたことはとても良いことだ。

GM食品賛成,反対の議論をしている間に現実ははるかに先に進んでいる。

尚、NATURE誌のこの記事はhttp://www.nature.com/nature/検索「GM Food」で有料で見ることができる。

5/November/01

ドイツ4年以内バタリーケージ禁止法案通過(2)

ドイツでは動物福祉問題が国内の採卵養鶏業界の存続可否の問題になってきた。

これは明らかに行き過ぎである、ドイツの生産者ならずとも腹がたつ。

日本でもし仮にこの法案が可決された場合を考えてみたらすぐわかる。これは50年以上前の先輩たちが苦労してやってきた飼育方法に戻りなさいと言うに等しい。

以下、千々岩 壬さんより続報が届いています。

ドイツの養鶏用ケージ法案上院を通過(WATT-Poultry 11月1日)
ドイツでのレイヤーケージに関する規制法案が上院Bundesratで可決された。 前回報じた通り、この法案はEU規則よりも厳しい物であるが、更に詳しく載ったので以下に記した。 
 DBV(ドイツ農業者連盟)とZDG(ドイツ養鶏生産者中央協会は決定に強力に反対した。 この法案は来年の初期にはEUへの通知を経て、有効となる予定である。 
 現行の高さ50cmのケージはEUよりも5年早く 2006年12月31をもって違法となる。 
 又、EUの承認を得ている強化ケージ(enriched cage)も2011年の末には禁止される。 新しい飼育法は鶏に自然の行為を取れるようなスペースを与えねばならない。
 鶏舎は少なくとも、2メートルの高さと、少なくとも9羽当り1?のスペースが要求される。 又、1群は6,000羽までに制限される。
 本法が有効となったら強化ケージ(enriched cage)も含め如何なるケージシステムも許可されない。
 DBVもZDGも余りにも短期間での移行だとし、生産者から国、地方への補償要求が殺到すると予測している。 そして、ドイツでの鶏卵産業が不況に陥り、ケージ飼育した鶏で生産された輸入鶏卵に取って代わられるだろうと危惧している。
 しかしながら消費者問題担当のRenate Knaust大臣は上院の決定を「鶏にとっては小さなステップかもしれないが、動物福祉と消費者にとっては巨大なステップである」と賞賛している。

2/November/01

サルモネラ対策と鶏インフルエンザ問題」

10月24日、「サルモネラ対策と鶏インフルエンザ問題」J・R・Cテクニカルシンポジウムに参加した。講師はUSDAのDr.ホルツ、鳥取大学の大槻先生、北里大学の中村先生であった。

鶏インフルエンザについては、

1:日本は無防備である、何時入ってきてもおかしくない、いままで問題にならなかったのはただラッキーであっただけ。
2:危機管理をしよう、農場で出来ること、行政でやらねばならぬことを実行する。
 幸い遅ればせながらこれらの警告を受けてついて各界動き出している。
 
サルモネラ対策と鳥屋入り(誘導間換羽)については 、

1:鳥屋入り(誘導間換羽)は採卵養鶏に経済的メリットが多い。
2:鳥屋入りはサルモネラの感受性を高める、それは断餌によるところが多い。
3:サルモネラの感受性を高めない鳥屋入りの方法を研究開発した。
 
尚、詳しい報告は日本養鶏協会の島田さんが早速協会のホームページに紹介している、素早い対応に感謝します。
http://www.jpa.or.jp/kakin/jrc.html

1/November/01

中国のホームページが面白い

有難いことだが日本語で「人民日報」や「北京週報」を読むことができる。

1:「人民日報」(10/29)によれば「農業分野の企業化進展」として中国農業の急変ぶりを書いている。
http://j.people.com.cn/2001/10/29/jp20011029_10775.html
人民日報は中国政府の新聞だから政府の意思そのものが書かれていると思ったほうが良い。
つまり中国政府は農業の企業化を推し進めているのだ。
人民公社制」から一気に「株式会社制」への変身と考えたほうが良さそうだ。
日本では株式会社の農業参入是か非かを議論している間に隣の中国ではWTO参加をチャンスととらえ競争力のある農業を作ろうとしている、どちらが社会主義の国かわからない。

2:「北京週報」に「独占打破」とあった。何事かと思ったら国家による事業独占を打破するとある。
http://www.bjreview.com/bjreview/JP/Index.htm
変われば変わったものだ。国家による事業独占は腐敗と非効率を産むと言う。小泉首相が泣いて喜ぶ話だ。
政治は共産党による一党独裁、経済は超資本主義的手法で。

この壮大な実験から当分眼が離せない。

尚、この「北京週報」百家争鳴の欄に遺伝子組み替え食品の安全性についての議論がある。中国政府の考え方が分かって面白い。