鳥インフルエンザH5亜型の抗体陽性確認 茨城県茨城町 (7/28)

6月26日、茨城県水海道市のA養鶏場でH5N2が確定して以来、官民必死の防圧作業をしたにもかかわらず、感染は新たな様相を見せ始めた。7月28日水海道市のK養鶏場に導入された大雛が鳥インフルエンザに感染していたことがわかり、さらにその大雛を育成した茨城町のU養鶏場も感染が確認され、周囲5Kmは移動禁止となり当農場は殺処分が決定した。この農場の規模は育成鶏、成鶏をふくめ10万羽をこえる。

茨城町水海道市から50Km以上離れている。飼育されている鶏の数は比較にならないほど茨城町のほうが多い。日本一の採卵養鶏県の茨城県のなかでもその中枢部である。発生農場の5Km周囲といえば、私どもの成鶏農場の一つが含まれるから農場全体に衝撃と緊張感が走った。この範囲内には少なくとも80万羽以上の鶏がいる。即座に採血が行われウィルスの存在確認と抗体の有無の検査が行われている。官も民も夜昼、休日関係無しにその対策に追われている。

私ども養鶏家が最も心配していることは、以前から指摘されているごとく茨城県のような養鶏密集地において従来の殺処分による鳥インフルエンザ撲滅作戦が機能しないのではないかということと、その場合官がどのような手段でこれを防圧するのか明確な指針を示してないことである。一刻でも早く、国が備蓄してある鳥インフルエンザワクチンをどのような事態の時に、どのような方法で使用するのか明確に示して欲しい。これは日本全国にいる採卵鶏たち2億羽の悲鳴と聞きとめて欲しい。