鳥インフルエンザ(AI) 全国一斉サーベイランス(8/13)

高病原性鳥インフルエンザに関する全国一斉サーベイランスの結果について( 第4報)の発表があった。
8月6日現在、907戸検査した結果いずれも陰性であった。
8月10日、私どもの埼玉県の農場も採材された。農場の前まで家畜保健所の方たちがみえられ、その農場の一番年齢の進んだ鶏を農場側で持ち出し、私どもの獣医が皆の見ている前で採血した。

今回の茨城県での鳥インフルエンザ(AI)H5N2の感染とその広がりかたを見るとき、とても奇妙な感じを受ける。今まで永年採卵養鶏をやってきているので、自慢するわけではないが色々なウィルス性伝染病を経験してきた。ND、IB、ILT、、。特にNDについては昭和40年代のはじめ神奈川県相模原の農場で家畜保健所の先生たちと自分の鶏の殺処分を一緒に手伝ったことがある。

経験したどの鶏伝染病に比べても、この鳥インフルエンザ(AI)H5N2は他農場への伝染力が弱いとしか考えられない。通常の鶏伝染病であればまず発生源の農場が全体に汚染され、じわじわと近隣の養鶏場に広がり、養鶏密集地であればその地域一帯に感染は拡がるのが通例である。幸い初発の水海道市の場合、今のところそうなってはいない。初発に対する対応策が良かったのか、夏季のためウィルスの活動が鈍っているのかわからないが、いずれ明らかになるであろう。

水海道市から50Kmも離れた茨城町に突如H5N2が現れたのは、この農場が人、物、その他で水海道市の農場とつながりがあったと考えるのが自然である。これから茨城県の一斉サーベイランスによって更に色々なことが判って来るが、私どもにとって神経の休まらない日々が続く。