たまご屋おやじの独り言 2002年5月

たまご屋おやじの独り言 2002年5月

27/May/02

「最近のトリインフルエンザに関する話題」(鴻巣泰先生)

昨晩(5/26)NHK特集「肉骨粉、汚染ルートを追う」を見た。

BSEの原因と考えられている汚染肉骨粉が日本に潜り込むルートを追いかけたもので、背筋が寒くなる思いをした。

いち早くその危険性に気づき輸入を禁止した国と、それを続けた日本との差はなんであろう?
 
アメリカ、オーストラリアでは、一頭のBSEが発生したら国を倒しかねないとの危機感があり、それに備えていると識者が話していた。

「事が起きてから動く」体制が如何に高くつくかは今思い知らされている。
トリインフルエンザについても対岸の火事ではない。

日本国内でもそれが発生するとの前提で物事をすすめる必要がある。発生しないのははたまたま運が良かっただけと考えよう。

先週、埼玉養鶏協会の総会をかねて「最近のトリインフルエンザに関する話題」(鴻巣泰先生)があった。これをきっかけに早速県段階で官民一体となったプロジェクトチームを発足させることになった。
 
尚、この「最近のトリインフルエンザに関する話題」(鴻巣泰先生)についてはその時に参加されていた日本養鶏協会の島田専務がHPに報告されている、感謝。
http://www.jpa.or.jp/news/kakin/gaku_kougi2.html

26/May/02

「卵の生食 期限守っても食中毒の危険」(その3)

5月22日の説明会の様子については前回報告しました。

その時の研究所が読売新聞宛に出した「記事訂正のお願い」の全文が日本養鶏協会のHPにいち早く掲載されています。
http://www.jpa.or.jp/news/media/i_tamago5.html
 
またここには、5/27この件について読売新聞と話し合いがもたれるそのスケジュ−ルと、今までの経過が説明されてます。
 乞う一読を!

22/May/02

「卵の生食 期限守っても食中毒の危険」(その2)

5月22日(水)永田町の薬業健保会館において5月5日読売新聞記事「卵の生食 期限守っても食中毒の危険」について研究者の説明があった。100名前後の会場は業界関係者で一杯となり、関心の高さを示した。

国立医薬品食品衛生研究所の主任研究員春日文子氏が学会で発表された論文がその趣旨と違って読売新聞に掲載された経過を上司の山本茂貴部長が説明され、読売新聞に対して記事訂正を求めているとした。

同研究所が率先してこの説明会を提案し、経過とその趣旨を説明したことはあらぬ誤解を避けるために評価できる。

春日氏の研究は国際的に通用する最新のリスクアセスメントの手法をもちいて鶏卵SEによる食中毒の発生をシミュレーションしたもので、そのモデルを提案したものでありその計算結果にはこれから国内のデータを集めて使えるものにしたいというものであった。
 
ところが読売新聞の記者は早とちりしてシミュレーションの結果だけが一人歩きしてしまった。

これをみても判るとおり、マスコミ対策は難しいが、今回誤ったマスコミ報道に対して直ちに行動を起こされた日本卵業協会の清沢盛雄会長と日本養鶏協会の島田専務に感謝したい。自分の業界は自分達で守るしかないことを改めて実感した。

尚、同研究所のHPはhttp://www.nihs.go.jp/hse/food/index.htmlにあります。

17/May/02

50円、30円、15円、5円のたまご

最近お店に行くとやたらと"たまご"の種類が多い、値段もピンからキリまである。

特売ともなると10ヶで50円なんてのもあり、安いのは結構だけど"これ大丈夫かしら?"となる。  いろいろと"わけあり"を謳って30円から50円まであって買う人は迷ってしまうに違いない。普通のたまごが15円している時に何故これほど値段がバラつくの?
そう言えば最近普通のたまごは売り場スペースが少なくなったわねえ・・・となる。

種明かしをすれば業界から総すかんを喰うが、食品への信頼が揺らいでいる時だけ事実を話して皆さんの信頼を得ることのほうがもっと大事と考える。

普通卵より高い"わけあり卵"は生産者、お店にとって儲かるものとして考え出された。つまり両者の利益が一致した産物なのです。 勿論消費者によってはこれを買って「高いものは良いものだ」という満足感を満たすことが出来るかも知れない。

たまごは基本的な栄養成分では一羽のヒヨコが誕生するに充分な栄養分が詰まっている。50円でも5円でも変わりない。 あとは栄養成分が強化されているとか、飼育方式が違うとか、特別な管理をしてるとか・・・それに価値を認める人はどうぞ買ってください。

また私達生産者にとっても高いたまごを買ってくだされば助かります。お店にとって普通のたまごを売っていたのでは儲けが少ないのです。ところが"わけあり卵"を売れば2−3倍儲かります、勿論生産者にもおすそ分けがあります。

それから特売の安いたまごのことですが、これはお店が客寄せのために特別値引きしているのです。つまりそれだけ買われたのではお店は赤字です。 にわとりは特売用に安いたまごを特別に産むことは出来ません。まったく普通のたまごと変わりありません。

ただし、特売をすると通常の数倍売れますから事前に数量を調整します。そのため少し鮮度が落ちる場合があります。

鮮度の良い普通のたまごが値段に対してお値打ちです。

9/May/02

"卵の生食"と食中毒にかかる新聞報道について

読売新聞の『卵の生食 期限守っても食中毒の危険』本文読みました。消費者に誤解を与えるとんでもない記事です。 それも研究者の趣旨とは異なることを記事にするとは・・。

この件について日本卵業協会の清沢会長と日本養鶏協会の島田専務の取った行動はすばやかった、感謝したい。

以下、5/8の日本養鶏協会のHPから(協会のHPでの対応は凄い!!)
http://www.jpa.or.jp/news/media/i_tamago.html


"卵の生食"と食中毒にかかる新聞報道について
 今般、5月5日付け読売新聞に『卵の生食 期限守っても食中毒の危険』とする報道記事について7日午後、(社)日本卵業協会 清澤会長と(社)日本養鶏協会島田専務理事等は当研究論文の出展者である国立医薬品食品衛生研究所を訪れ事実関係の確認等を行いました。
 この結果、取敢えず以下の点についての確認を得たので参考までにお知らせします。
研究所としては取材に当たり、新聞社に対してあくまでもリスクアセスメント手法の一材料として卵をテーマとして利用したものであり、"卵が危険である"との表現にならないように再三にわたり相手方に伝えた。
従って、新聞の記事内容は自分達の研究内容の趣旨とは全く異なるものであり、当研究所としても別途、当新聞社に対して抗議文を提出する予定にあること。
 以上のこと等から、当協会及び(社)日本卵業協会は、この対応の一環として、近当研究所の関係者と養鶏関係の団体及び報道機関を交えて説明会を開催する方向で現在調整中です。

 なお、この詳細については判明次第連絡する予定です。

6/May/02

5/2ヴァージニア(USA)トリインフルエンザ(AI)

5月2日のワシントンポスト紙にヴァージニア州(USA)におけるトリインフルエンザ(AI)の惨状が報告されている。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A24222-2002May2.html

悪いことにこの地区はAIの発生に追い討ちをかけて竜巻が起き,破壊された鶏舎の写真が掲載されている。

ヴァージニア州は全米第4位の七面鳥の産地で年間27百万羽の生産がある。

既にAIによる死亡及び殺処分は3.2百万羽を超え、被害を受けた農場数は126になる(七面鳥及び鶏)。

このために200名の獣医師が配置され、防疫費用として3百万ドルが使用された。

1/May/02

2001年 たまごによる食中毒激減

4月19日、厚生労働省は食中毒事件発生状況(平成13年)をホームページに 発表した。
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/index.html         

日本の食中毒、サルモネラによる食中毒、卵による 食中毒データについては厚生労働省のHPにある食中毒情報はとても役にたつ。1998 年夏、マスコミによる「タマゴによるサルモネラ食中毒」騒ぎで、私どもの業界は大きなダメージを受けた。

しかし冷静にデータを読み取るかぎり近年「タマゴによるサルモネラ食中毒」の件数、患者数は増加していない。それどころか1999年、2000年、2001年のそれは激減している。好意的に解釈すれば、マスコミが大騒ぎしたためにみんなが気をつけるようになった為であろうか、有難いことだ。しかし、食中毒はその年の気候に大きく影響されるから油断禁物である。

1:日本の食中毒

年       件数    患者数   死亡数
1996 1,217 46,327 15
1997 1,960 39,989 8
1998 2,613 44,053 7
1999 2,635 34,070 6
2000 2,198 42,658 4
2001 1,924 25,732 4

2:サルモネラによる食中毒

年       件数    患者数   死亡数
1996 350 16,576 3
1997 521 10,926 2
1998 630 11,035 1
1999 805 11,675 2
2000 512 6,908 1
2001 360 4,912 0

3:卵原因の食中毒

年       件数    患者数   死亡数
1996   35 3,049 0
1997 37 2,012 2
1998 46 1,902 1
1999 36 735 0
2000 41 1,012 0
2001 34 441 0



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