日本たまご事情 Dr.McNamara のこと

嬉しいことにDr.McNamara が今年の6月日本にやってくる。6月14日に東京で開催される日本養鶏協会および日本鶏卵生産者協会主催の国際シンポジウムと、6月16日に埼玉県本庄市で開催される関東甲信越養鶏大会に講師として招かれたのだ。彼はENC(Egg Nutrition Center)の所長として辣腕をふるい、落ち込んでいたアメリカ国民の鶏卵消費量を見事回復させつつある男である。

アメリカではかつて国民の鶏卵消費量は年間一人あたり400ヶを超えていた。その時は朝食に卵を食べるのがアメリカ人のライフスタイルであった。アメリカで朝食に卵料理を注文するとき、その種類の多いことに困ったことがある。スクランブル、サニーサイドアップ、オーバー、ポーチド、オムレツ……、注文したら予想外のしろものが出てきたりして面食らった記憶がある。

アメリカ人の朝食から卵を追い出せば我が業界が儲かると、頭のいい悪知恵をもつ者がいた。彼らは執拗に卵のコレステロールアメリカ人の健康、特に心臓病に悪いと、宣伝し続けそして成功した。お陰でアメリカ人の鶏卵消費量は年間一人あたり220ヶ近くまで減少してしまった。おそらくそれはアメリカのシリアル業界であろう。

ところが心臓病に悪いと言われた卵の摂取量が半分近くに減っても、いぜんとして心臓病はアメリカ人にとって死亡率No 1である。さすがにアメリカの鶏卵関係者はおかしいと気づき懸命に巻き返しに出た。

鶏卵業界から金を集め、政府と一緒になって研究所を作り、優秀なスタッフを集めて科学的に卵のコレステロールは心臓病に関係ないことを証明した。その中心的人物がDr.McNamara なのである。近々その国際シンポジウムと養鶏大会のプログラムが発表されるであろう。是非とも参加してDr.McNamaraの生の声を聞きたいものだ。