ヤノマミ

いつもテレビを見るのはニュースと天気予報くらいだが、たまに興味のある番組には夢中になることがある。
先日、NHKスペシャルで「ヤノマミ」というのがあった、ブラジルの奥地で今も一万年前の生活をほとんどそのまましている部族の人たちと生活をともにしたドキュメンタリーである。
私にとっては夜遅い番組だったので録画してもらい、あとで何度も繰り返して見ることになった。

狩を中心としたジャングルの中での自給自足の生活は想像を絶するもので、我われの遠い祖先はこれに近い過酷な状況を生き延びてきたのかとある種の感動すら覚えた。

冒頭、ちょっと説明しにくいが14歳の少女が自分の産んだ赤子をすぐ白アリの巣に埋めアリに食べさせ、その巣ごと焼いて赤子を精霊として天に送る場面があった。
この部族では産まれる赤子の半数は精霊になるのだという、それも生かすか精霊にするかはその若い母親が一人で決めなければならない、、、驚く場面がつぎつぎと続いた。

決して興味本位の番組ではない、おそらく現地でこの番組をつくったスタッフの人たちは命がけであったろう。
ヤノマミの世界ではシャーマン(呪術師)が生きている世界である、それは指導者であり宗教家であり医師でもある、彼なくしては部族は成り立たない。

人間が生き延びてきた原点を見せてくれたようで、ここから我われはスタートしたのだなと感銘することしきり。
こういう番組を作ってくれれば喜んでNHK視聴料は払いたくなる。