たまごとコレステロール

4/22(水)、新横浜駅前の横浜アリーナで開かれた「たまごとコレステロールのゼミナール2009」に顔を出した。
これは私どもの日本鶏卵生産者協会が主催しているもので、このキャンペーンを始めてからかれこれ5年たつ。

たまごにはコレステロールの含有量が多いので、これを食べると血中のコレステロール濃度があがり脳卒中心臓病などの危険性が多くなるという今では科学的には因果関係はないことを言いふらすお医者さんがいまだに多いので、全国の鶏卵生産者が「事実はこうなんだ」としかるべき専門家に分りやすく説明をしてもらっている。

会場には350人を超える人たちが集まっていた、やはり年配の女性が多く食事と健康の問題の会合はどこでも人気がある。
講師の一人高田明和先生は日本人が戦後世界一の長寿国になれたのは食事の内容の改善が大きいとし、脂肪および動物性蛋白質(肉、玉子、牛乳など)が食べられるようになったこと、それが十分でない国は未だに短命であること、さらにたまごには大きな栄養的メリットがあるのに、コレステロールを理由に食べるのを控えるのはナンセンスであり、現に世界中でたまごを一番多く食べている日本人が世界一の長寿国であると話された。
われわれたまご生産者が口を酸っぱくして同じことを云っても自分の田に水を引くようでなかなか聞いてもらえないが、さすがに専門家の云うことは説得力があった。

同じく講師であるアメリカのマクナマラ博士も同じ趣旨のことを云っていた。
アメリカではカロリーの取りすぎと運動不足で、日本のメタボ騒ぎとは比較にならないほどの肥満問題を抱えるが、日本人を見ていると肥満のうちにはいらないと笑っていた。
主として肥満からくる心臓発作で死亡が多いアメリカではその原因としてたまごのコレステロールがやり玉にあげられた、とくに1984年TIME誌が表紙に取り上げるなどたまごは悪者扱いとなった、このためなどでアメリカ人のたまご摂取量は半減した、にもかかわらず高レベルの心臓病死は相変わらずであった。
これはおかしいと云うのでいろいろと研究が進んだ末、1999年同じTIME誌の表紙に「たまごはもはやコレステロールのシンボルではない」と載った。
つまりたまごを食べることと心臓病死は関係のないことになった、ようやく濡れ衣を着せられていたことが分ったので、それからアメリカ人は段々とまたたまごを食べるようになったが肥満の問題は解決できていないと話していた。