寿命

寿命

長く取引いただいた鶏卵問屋のお爺ちゃんが先月亡くなった、102歳である。
90歳ちかくまで現役で市場の先頭に立たれ、とにかくお客さんに会うのが楽しみで商売が三度の飯より好きな人であった。
あとを継いでくれた息子さんに先立たれ、問屋の仕事を止めざるを得なくなり、それ以来すっかり元気が無く、亡くなられたのはそれから間もなくであったとのこと。
落ち着いた頃、その家族を訪ねていろいろと話を聞かせてもらった、望んでも100歳以上長生きできる人は少ない、まして元気で身の回りのことは自分でこなせる人は更に少ない、いわば大往生である。
それだけ元気に長生きした爺さんは、いったい家族の人たちに長生きについてどのように話していたのであろう。
爺さんいわく「人間にはそなわった寿命があって、自分ではどうすることも出来ないが、長生きさせてもらってほんとに有難い、長生きすれば嬉しいこともあるが、それ以上に悲しいこともある、カミさん子供に先立たれ、まわりに仲間がいなくなる、、、丁度良い死に時は今から考えると80から85歳くらいかな、ハッハッハ、、、」だそうである。
やはり100歳以上生きた人は凄いことを云う。