法事

法事

先日、102歳で亡くなられた鶏卵問屋の爺さんの四十九日があった、今まで数多くの法事に出たが100歳を越えた人のそれは私にとって初めてである。会場は明るいホテルの最上階に用意され、かかわりのある人たちが50人ほど集まった。
会場にはなんとラテン系の明るい音楽が流れ、人々はニコニコと話をしている、まるでお祝い事だ。形どおりの挨拶があり食事が済むと、いきなり男女二人のダンサーがラテン系のダンスを始めた、会場を踊りまくり激しいリズムに乗ったそれはセクシーですらあった、皆しばし呆気にとられていた。
爺さんは鶏卵問屋の跡をとられた息子に先立たれ、それを機会に問屋の仕事を止めた。仕事を手伝っていた息子の嫁さんは60歳を越えていたが、得意の喉とダンスを生かしキューバ音楽とダンスに打ち込んだ、鶏卵倉庫を声楽、ダンス教室に改造し見事に転進された、それを影で応援し支えてくれたのがこの亡くなった爺さんであったと涙ながらに嫁さんは話していた。
なるほど爺さんは100歳を越えてもまだラテンの音楽とダンスが好きであったのか、、、今日の法事がこんなに賑やかで楽しかったことに合点がいった。