卵が消えた日

卵が消えた日

連日、TV新聞WEBに見られる地震の情報には言葉もありません。
ひるがえって我が農場をみると、電気の止まった養鶏農場は待ったが効きません、まず換気ですが新しい空気が換気扇で供給されなくなると鶏は数時間後には死に始めます、そのため農場では最低限、このために発電機を用意しますが、長時間停電し水と飼料が切れますと鶏は二日目から死に始めます、特に最新式の合理化された自動鶏舎では人手で水も餌もやることが出来ませんし、またそのための人手も用意されていません。
停電のみならず地震による施設の損傷はそれがたとえ一部であってもシステム全体が止まります。現実に私どもの茨城農場の一部にこれが起き、残念ですが多数の鶏を救うことが出来ませんでした。
何事も無ければ、この自動化された自動鶏舎は鶏卵の生産コストを下げ、鮮度も抜群な状態で皆さんに出荷できるのですが、一面災害にたいしてこのような脆さを持っています、しかし他の産業同様昔のシステムに戻ることは出来ません。 
現在、首都圏のスーパーより卵が一時的に消えていますが、これは産地農場の一時的な混乱と、輸送の問題が解決されればじょじょに回復します、そのために農場はじめ関連する業界、飼料工場、輸送関係などは涙ぐましい努力を続けています。