5、Killing field

この2週間の間に東北関東大震災のことであまりにも色々な事が起きて、アンコール遺跡の話が中途半端になっていることにやっと気がつきました。締めくくりが暗くて辛い話になって申し訳ないですが、とにかく終わりといたします。

5、Killing field
私たちを五日間、日本語ガイドを勤めてくれたHour君が、ある時ポツンとこんな話をしてくれた。「皆さん気がつかれたかどうか、このカンボジアではお年寄りがとても少ないのです」。私たちはSiem Reapの街だけ、それもわずかな間だけしか居なかったのだが、云われてみれば確かにその通りである。日本のそこらの街とは大違いなのだ、なぜ?
いつもは明るく饒舌な彼も悲しそうに話し出した、「30数年前、当時カンボジアの中心となって働いていた世代の多くがポルポトによって殺されたのです」。
その時の人口の四分の一、あるいは五分の一とも云われる人々が虐殺された、それも多くは自分たちの子供のような少年兵によって。
首都Phnom Pennを始め、第二の都であるこのSiem Reap,また主だった街には、そのKilling field(虐殺の場所)が残っている。
人間が時と場合によって、どれほど狂気になれるのか、決して忘れてはならない事実がそこにはあった。
旅の締めくくりの話しが、恐ろしい話になってしまった、千年前の遺跡群も物凄かったが、今日の話しが一番印象に残っている。