たまご屋おやじの独り言 被害者の怒り

たまご屋おやじの独り言 被害者の怒り

9/9早朝 RCのメンバー16名はマイクロバスに乗って深谷市から津波原発災害が起きた南相馬市に向かった。現地の友好クラブ慰問訪問と災害の現状を実際にこの眼で確かめるためであった。
片道6時間、現地滞在3時間合計15時間の強行スケジュールで、家にたどり着いた時にはふらふらになっていた。
災害発生後6ヶ月経っているが、その傷跡は大きい。特に耕作放棄を余儀なくされた水田の荒れ方には驚く。何百年にわたって丹精こめて守られてきた美田が、たった半年の間に雑草茫茫で見る影もない。
南相馬RCで現在ガバナー補佐を務める酒井さんに現地を案内してもらい、話を伺うことができた、いずれも想像を絶するものであった。
その途中、津波で家の一部を破壊され、それを人々が修復作業に取り組んでいる現場をバスがゆっくり通り過ぎた。メンバーの数人がその状況をカメラに収めた、それを見とがめた現場の人が大声を出した、そのままバスが通り過ぎると軽トラックで二人が追ってきてバスを止め、もの凄い形相でバスに乗りこんできて、そして怒鳴った。
「貴様らにわしらの苦しみが判らねーのか、写真など撮りやがって。わしらは見世物ではねー、おまえらは物見遊山かも知れねーが、家族を亡くし家を無くした者の気持ちなどお前らに分かってたまるか」メンバー一同はその非礼を詫びて一言もなかった。
災害後6ヶ月経過して、TVなどで見た瓦礫の山の状況より、予想以上に復旧は進んでいるようにみえるが、人々が心に受けたやり場のない怒りの気持ちは半年やそこらでは消えていない。
20110910
斎藤富士雄