たまご屋おやじの独り言 四国お遍路 異次元の世界

 新宿から夜行バスに乗り翌朝徳島駅についた、電車に乗りJR坂東駅で降り、歩いて一番札所の霊山寺にたどり着く。ここでお遍路用の支度をととのえる。菅笠、白衣、杖,納経帳など、、しめて12000円少々支払った。
このあと札所を順番どおりに歩いてまわる、お寺ではお遍路の参拝の作法があるのだが、私流に少々省略させてもらった。欠かさなかったのは般若心経を大声で唱えること、すでに亡くなった私とカミさんの両親、亡くなった両方の兄弟たち、そしてすでにいない先輩友人たちに感謝の気持ちを伝えること。
友人Kの奥さんが死のまぎわまで書きとどめていた短歌を、Kが半紙に清書しこれを預かってきたので、Kのかわりに朗読し各納経箱に納めること。
たしか三日目の午後のことであった、歩き続けてその日は「遍路ころがし」といわれる難所にさしかかった、二つの山を越えて目的の焼山寺まで健脚で6時間、私は遅くそして道中二度も道を間違えたので8時間ちかくかかってしまった。
疲労は限界にちかく、やっとの思いでお寺にたどり着いた。その時すでにお寺には参拝者はわずかいるのみ。
般若心経を唱えていると、突然両親をはじめ亡くなった親しい人たちがゾロゾロと現れた。とても不思議である。
家に帰り着いた今なら、極度の疲労のため意識朦朧となり、幻覚が起きたのだろうと考えるが、いやそうではない。あそこには異次元の世界が広がっているのだ。


JR板東駅

一番札所 霊山寺

晴れ姿?

遍路ころがし 吉野川が見える

焼山寺