たまご屋爺さんの独り言 八十路の悲しみ その二

たまご屋爺さんの独り言 八十路の悲しみ その二

今から10年前、ちょうど七十路に入りたての頃、博識の先輩Uさんに「年をとるとはこう云うことだよ」と江戸時代の武士で俳人横井也有(1702−1783)の残した狂歌を教えてもらった。

これを読んでその時は笑い転げた。

最近は身に覚えのあることばかりなので身につまされる。

その時の記録が残っていたので下記に記す。

狂歌七首 横井也有(耳袋 根岸鎮衛より)
1 しわがよる、ほくろはできる、背がかがむ、頭がはげる、毛が白くなる。
2 手は震う、足はよろつく、歯は抜ける、耳は聞えず、目はうとくなる。
3 またしても、同じ噂に、孫自慢、達者自慢に、若きしゃれ言。
4 よだたらす、目しるはたえず、鼻たらす、とりはずしては、小便もする。
5 くどくなる、気短かになる、ぐちになる、思いつくことみな古うなる。
6 身にそうは、頭巾(ずきん)、えり巻、つえ、めがね、湯婆温石(ゆたんぽおんじゃく)、しびん、まごの手。
7 聞きたがる。死にともながる。さびしがる。でしゃばりたがる。世話やきたがる。

ちなみに4の「とりはずして」は屁をすることとある。