たまご屋おやじの独り言 2002年8月

たまご屋おやじの独り言 2002年8月

23/August/02

<日本たまご事情>「たまごアンケート」に学ぶ(3)

生たまごは安全?(3)
「昔は生たまごをご飯にかけて食べるのが家族みんな好きでした。最近は安全性が説明されていても心配で食べれません。また美味しいたまごかけご飯を食べたいので、安全性について教えてください。」

美味しいたまごかけご飯は日本の優れた食文化です。これに納豆が加われば栄養的にも満点です。アメリカ、ヨーロッパ及び中国の人たちは生のたまごを食べません。それをするのは蛇くらいだと考えています。たまごの本当の美味しさを知らない気の毒な人たちです。丁度魚を生で食べる"刺身文化"をもつ我々には鮮度の高い素材をそのまま味あう高度の舌を持っています。

たまごは基本的に38度C以上21日間を高温に耐えて腐敗せずひよこになる機能を持っています。種の保存のためであり素晴らしい能力としかいいようがありません。まして賞味期限(10日から14日間)内であれば生で問題はありません。おおいに生たまごかけご飯を楽しんでください。たとえ心配されているサルモネラ菌に汚染されたたまごでも菌はたまごの中では増殖しませんが、一度割ってからそのまま放置すると菌は急激に増えます。これは刺身や牛乳を常温で放置した場合と同じです。

よく外国の同業者に質問されますが「日本ではたまごの生食の習慣がありながら何故サルモネラ中毒が少ないのか?」
それに対して、
「日本人は伝統的に刺身文化を身に付けているので、たまごの鮮度を見分ける能力が高く危ないと思えば火をとおす。」
と答えると分ったような分らないような顔をする。

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23/August/02

<日本たまご事情>「たまごアンケート」に学ぶ(2)

やはりたまごの安全,安心であったこと

一万人をこえる回答者の関心事はやはりたまごの安全,安心であった。 7000人近くの人たちがたまごについて疑問,質問などを書き込んでくれました。この中で特に印象に残ったコメントを紹介しよう。

20代で子供二人の4人家族の主婦より。
「正直言って、いつもタマゴを買うときに迷ってます。10ヶ入りで特売の48円!!のタマゴを買おうか?それより少し高めだけど198円のタマゴを買おうか?でも念のためにに安心,安全,家族のことを考えて高いほうを買っていますが、大して差が無いなら安い方が魅力的です。ほとんど毎日のように食べているのですから価格が安ければ助かりますが、品質の心配なものは食べられません。安いタマゴ、高いタマゴのそれぞれを選ぶうえで気をつけることなどが知りたいのです。どちらを選ぶのがよいのか?悩みます。」

子育て真っ最中の健気な若奥さんのものです。これは多くの人たちがいだく疑問点を代表しています。

安いタマゴは品質が悪い?高いタマゴは良い?

答えられることは、農場のニワトリは特売用の安いタマゴを特別に産むことはできません。産まれた時は同じ品質です。鮮度管理が同じであれば48円でも198円でも同じ品質です。ただし、特売用は一度に大量にタマゴが必要になります。このため夏季鮮度管理が少々難しくなり鮮度に差がみられることがありますが冬季はほとんど差がでません。

鮮度を見極めて大いに特売のタマゴを買って下さい。特売のタマゴだけを買われたのではお店は成り立ちませんから、いずれ特売を止めることになります。

23/August/02

<日本たまご事情>「たまごアンケート」をしてみました(1)

インターネットによる「たまごに関するアンケート調査」をしてみました。企画会社のホームページにたまごに関する質問事項を設定し、その解答欄にチェックをいれてもらいこれを集計すると言うものだが、回答してくれた人には抽選で500円相当の鶏卵が当たるのだと言う。その会社は期間一ヶ月貰えば一万人以上の回答を集めてみせると豪語していたが、私は半信半疑だった。

結果は「IT時代とはこういうことなのか!」と実感させられた。参加者は軽く一万人を超え、あらゆる年代、地域から回答がよせられた。

更に驚くべきことには「たまごについて疑問、質問なりを自由にお書きください」との欄に、7000人近くの人が書き込みをしてくれた。私はある種の感動をもってこれを一つ一つ読んでいった。ここに書き込まれた一言一言は深く身にしみた。そこで得た結論は「生産者は卵について消費者の疑問に何も答えていない」であった。

次回から最も多い質問から出来るかぎり答えていこうと思う。

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