たまご屋おやじの独り言 2003年3月

たまご屋おやじの独り言 2003年3月


1/March/03

究極の玉子かけご飯

落語家柳家小三冶トークショウ「玉子かけご飯」のCDを聞いた。これは1992年鈴本演芸場で録音されたものである。その語りがそのまま本になって「ま、く、ら」(柳家小三冶 講談社文庫)の中にある。なかなか評判がいい。

プロにかかると凄いもので、日頃なんでもないことでも落語のネタになってしまう、玉子かけご飯がそのいい例だ。

小三冶は昭和14年生まれだから、だいたい私と同年代である。この世代、玉子かけご飯には各人各様の思い出と味が残っている。小三冶にかかると、やっと手に入れた貴重な一つの生玉子を7人の家族で分け合って玉子かけご飯にして食べた話、玉子が足りないので醤油で2倍に増量したり、かき混ぜた生玉子が公平に分配されるか真剣に兄弟でにらみあった事などなど話はつきない。

その中に出てくる小三冶の「究極の玉子かけご飯」の方法の種明かしは伏せておくが、話の最中何度も「玉子は有り難い食い物だ」と繰り返していた。それを聞いて私は嬉しくなった。