パソコン老年組 ウェブ進化論

ウェブ進化論梅田望夫 ちくま新書 を読み、ひさしぶりに興奮した。
著者は1960年生まれであるから40代半ば、日本とアメリカのシリコンバレーで生活している。
ITの世界では彼はすでに老年組に属するのだそうで、その世界の変化の激しさがうかがえる。

それは私のような門外漢にもわかるように書かれていた。
要点はITをめぐる「本当の大変化はこれから始まる」というものである。
パソコンをはじめ身の回りのIT関連機器の進歩には驚かされるが、そのようなハードの部分のみならづ実際はそれらの向こう側で起きている大変化を熱っぽく説いている。

その例として彼はgoogle社の話をしている。
google社は自家製のコンピュータ30万台を駆使し、世界中の情報を整理、提供しこれをあらゆるビジネスチャンスにつなげようとしているのだと言っている。
そう云えば私はパソコンで何かするとき、いつもgoogleの検索を利用している、このような便利なものを何故google社はフリー(ただ)で利用させているのか不思議でならなかった。
また時々利用するgoogle map,google earth にはいつも驚嘆している、これもフリーだ。
著者はgoogle社が収益を上げ成長していく姿を描きだし、恐るべき同社の戦略を解き明かしている。

「ただ(フリー)ほど高い物はない」と云われるとおり、下手をすればこちらの情報はすべてgoogle社に筒抜けとなり、相手に利用される恐れがある世界が現実になったらしい、パソコン老年組には悩ましいことだ。