「ルノアールは無邪気に微笑む」

これは日本画家の千住 博の書いた文庫本の題名であるが実に面白い。
http://www.hiroshisenju.com/top_menu_j.html
実はこの本にたどりつく前に彼の本を何冊か読んでいる、「美は時を超える」「ニューヨーク美術案内」である。
これ等のものを読む前は恥ずかしい話、彼が何者であるのかぜんぜん知らなかった。

ネットで梅田望夫のブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」を見ていた時、彼の本を話題にしていた。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/
「ははあ、ニューヨークに凄い日本画家がいるもんだなあ」というのがきっかけで彼の本を読み始めた。
若い日本画家が世界で通用するには並大抵なことではないと思われる、彼の絵にかける情熱、意思の強さ、行動力には恐れ入る。
彼の本を読んでいて、不思議なことだがこちらまで元気が伝わってくるようだった。
彼流に言わせれば、芸術とは「心の叫びを相手に伝えること」であるから、これ等の本も立派に千住 博の叫びが伝わってくる。

先日、運良く東京九段の山種美術館で彼の展覧会が開かれていたので、カミさんと一緒に行ってきた。
http://www.yamatane-museum.or.jp/img/logo.gif
来年米国フィラデルフィアの日本記念館「松風荘」に寄贈される襖絵の元となるものであった、「滝」を描いたそれらは今まで見たこともない千住 博の見事な「滝」であった。
こちらは得意になってカミさんに説明するのだが、彼女はそれどころではなく絵を見るのに夢中であった。