鳥インフルエンザと新型インフルエンザ

仕事がら鳥インフルエンザのことではいつも頭を悩ませているので、それらの情報には神経をとがらせている。
今から7年ほど前、インターネット上で初めてそれらの情報に触れたときある種の感動すら覚えた。
2000年イタリアの養鶏業界を襲った鳥インフルエンザは壊滅的な打撃を業界に残した、その被害状況が刻々とネット上で報道された。
当時日本の国内メディアは関心を示さず、ほとんど報道されなかった。
一部の専門家しか手に入らぬ世界の鳥インフルエンザ情報が一般の養鶏家にも同時に入手出来るようになったのである。

それ以来ネット上でそれらの情報を追いかけているのだが、この世界の情報量の多さと質の向上は眼を見張るばかりだ。
同時にネットの負の部分というか避けられない部分である無責任な情報も増えている。
数多くの情報の中からどれを選び出し、自分のものとするかはすべて自己責任で他人のせいにすることは出来ない。
むしろネット時代は情報を選択する各人の力量が問われているのかも知れない。

最近、「鳥インフルエンザウィルスが突然変異して人間を襲う新型インフルエンザになり世界中に拡大する、このウィルスに対して人類は免疫がないから多数の死者を出すだろう」と人々の恐怖を煽るような言葉がマスコミに踊っている。
確かにこの事を想定してWHOは世界各国に対してタミフル、インフルエンザワクチンの備蓄を薦めているのも事実である。
この事について京都大学の美馬達哉教授は「鳥インフルエンザが恐れられるのはなぜかー作られた恐怖がパニックを招く」というコラムを書いている。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/v/01/index.html

このコラムを読んでわが意を得たりと思った、マスコミで騒げば騒ぐほど冷静な判断が必要であり、情報を読み取るときに「その情報を発することで利益を得るのは誰か、損をするのは誰か」を判断基準の一つに加えろという。
最近読んだ秀逸なコラムなので一読を薦める。