オムレツケーキ

私は行ったことはないが、フランスに世界遺産モン・サン・ミシェル修道院がある。
フランスでも有名な観光スポットだそうで、世界中からの観光客で賑わっているという。
そういえばテレビなどで、海に浮かんだように見える古色蒼然とした修道院を見たことがある。

私が興味をもったのはその修道院ではなく、その入り口にあるホテル「ラ メ−ル プラール」の名物オムレツである。
食べた人の話によるとタマゴをよく泡立てからふんわりと焼き上げ、二つ折りにした巨大なオムレツだそうだ、それにかけるソースがとても合っていていける味だったという、むしろその古風なオーブンで焼き上げるパフォーマンスが見ていて楽しかったそうだが。
昔、徒歩でここにたどり着いた巡礼者たちの疲れ切った身体にはさぞかし美味であり滋養になったであろう。

話は変わるが私はデパート地下(デパチカ)の食品売り場をうろつくのが好きである、どこでも競争が激しいらしく店の新旧交代があって、この前あった店がなかったりする。
銀座松屋のデパチカに「ラ メ−ル プラール」が店を出したと聞いて、物好きにも行ってみた。
店にはその名物オムレツはなくがっかりしたが、かわりにそれをかたどったオムレツケーキがあった。
これにも色々と種類があり塩キャラメル味やチーズ味まである、一番人気の塩キャラメル味のそれをひとつ1250円也で買って帰った。

ケーキには簡単な保冷材がついていた、三時間以内に食べたほうが美味しいと言う事がうるさい、家に帰ってカミさんと二人でこれを食べた。
口にうるさい日本のお客を満足させるのは容易なことではないだろう、まして東京のデパチカで生き残ることは大変だ。
一時的な開店人気が過ぎてからが本当の勝負になる、タマゴのためにもこのオムレツケーキが生き残って欲しい。