島村教会創立120年記念コンサート

利根川のすぐ近くに島村教会がある。
江戸時代末期から明治時代中期にかけてこの教会のある島村(現:伊勢崎市境島村)は蚕種(蚕の卵)の輸出で当時ヨーロッパまでその名前を知られていた。
養蚕は当時日本の花形輸出品であったから、これに携わる人たちは進取の気風に富んでいた。

1879年(明治12年)、島村のリーダーの人たちはイタリア ミラノへ蚕種輸出の商談に出かけている。
当時の日本人がヨーロッパの文化に始めて触れた驚きとはどんなものであったろうか。
彼らはヨーロッパ文明の中心であるキリスト教に触れ強い感動を受けた。
帰国後アメリカ メソジスト教会の宣教師を自宅に呼び伝道集会を続け、自分たちは洗礼を受けるとともに島村教会を建設した。
以来120年、この小さな教会は地域の人たちによって支えられている。

Kさんから島村教会創立120年記念コンサートに誘われた。
Kさんは教会を建設したメンバーの子孫で、同時にこの教会を支えている。
いたずら盛りの孫二人、カミさんと一緒に会場である境島小学校体育館に出かけた。
コンサートは「群馬交響楽団メンバーによる弦楽アンサンブルで贈るヴィバルデイ<四季>全曲演奏会」という本格的なものであった。

会場はお年寄りから子供にいたるまで、500人以上になるであろうか、あふれ返っていた。
この小さな村のどこからこの人たちが出てくるのか不思議に思ったほどである。
皆知り合いらしく、顔を合わせるとお互いにニコニコしていた。
演奏が始まると、会場はシーンとなりさっきまで騒いでいた孫まで静かになった、それは期待していた以上にレベルの高いものであった。