札幌 

先週の四日間カミさんと札幌にいた、じっくり腰をすえてそこに居たのは初めてのことで、いつもは仕事がらみで北海道に来ても用事がすむととんぼ帰りをしていた。
有難いことに仕事を引退してからは時間も自由にとれる、札幌では「第46回全日本スクエアダンスコンベンションin札幌」が三日間にわたって開催され、そこには全国から元気な爺さん婆さんたちを中心に1200人ほどが集まっていた。

私がスクエアダンスを始めたのは5年前、脳梗塞で倒れた翌年からのことで、その病気のリハビリになるからとカミさんに無理やり連れ出された、最初のうちは嫌で嫌でしようがなかったのがそのうちにはまり、今にいたっている。
スクエアダンスはコーラー(音頭とり)の掛け声にしたがって8人で踊るチームダンスなので、一人がボケているとたちまちそのチームは踊りが壊れてしまう、その時チームの他のメンバーは口には出さないが白い眼でみられるので、なかなか怖いダンスなのである、つまりボケていられないのである。
まして全国大会ともなればチームを組むのはほとんど初対面の人、皆自分より上手に見える、しかし5年も懲りずに続けているとこちらも大分ずうずうしくなって、だんだん要領を覚えてくる。

大会で女性群団はとくに元気がよい、参加者のほぼ8割かたを占める、品定めをされているのはむしろ男性のほうで、踊りの上手い風格のある男がもてる、頭が禿げていようがしらが(白髪)、太り気味など関係ない、見てくれで男を判断などしない、それをするほど女性群も若くはない。
なぜ婆さんたちにこのダンスが人気があるかといえば、一つにその変身願望があるのかもしれない、普通ならとても恥ずかしくて着れないド派手なダンス衣装もみんなで着れば怖くないで、後姿だけ見れば40歳代か70歳代か分からない、とにかく若返ることができる。
それからとにかく身体を動かす、ボケている暇などないほど頭を使う、例え爺さんであっても異性がいれば元気がでる?

三日間同じホテルで過ごし、飯を食い、踊っていると妙な連帯感のようなものが生まれるらしく、「来年は生きていたら九州小倉大会でまた会いましょう」と言って別れていった。