智鶏会(ちどりかい)

先日、「智鶏会50周年記念会」の案内をもらい出席して欲しいとあった、あいにく当日は旅行中で残念ながら出席できないと伝えた。
私が二十歳代で親父の仕事を継ぎ養鶏の仕事をはじめたのだが、当時東京を中心に関東近県の研究熱心な養鶏家が集まって自主的に研究会を月一回のペースで開催していた、それが智鶏会である。

そのメンバーに加えてもらい、先輩や仲間にいろいろと教えてもらった、同業者であるから良い意味でのライバルであり、しのぎを削ったりもした、当時の仲間もすでに代替わりをしたり仕事をやめたりしているが、中には親子二代にわたってこの会のメンバーというのも数名いる、良いか悪いか分からぬが私の息子もその一人である、息子の入会で私はやめ、それからもう10年以上になる。

同業者の研究会が50年間も続くのは珍しいと聞いた、たいてい仲間割れをしたり、リーダーに人を得なかったり、経済的な理由など継続できない理由はいくらでもある、だが不思議なことにこの会は続いている。
結果論であるが続いている理由を強いてあげるならば、会長は一年交代(会長の負担を短くする、一年間と限ればがんばれる)、研究テーマは会長が設定(テーマがかた寄らないで公平になる)、会費は自腹(特定のスポンサーに頼らない)、しっかりした事務局を持つ、、、。

いろいろあるが、これらの中で私が一番大きいと思うのは裏方である事務局の継続性にあると思う、幸いなことに智鶏会は「鶏の研究」という業界紙に事務局をもつことが出来た、なんとこの「鶏の研究」誌は大正13年(1924)創刊で以来80年以上も地味な月刊誌を出し続けている、あまり目立たないがこの裏方の力があってこそとの思いが強い。
なんの仕事をしていてもこの半世紀の変化は大きい、その変化に自在に適応した者だけが生き残れる、たとえ小さい研究会であっても例外ではないようだ。