再び秩父へ

人は歳を重ねるごとに興味の対象が変わってくるものらしい、私の場合にもそれは言える。
例えば古いお寺や神社など若い時にはほとんど興味もなく、またそこを訪ねる時間もなかった、ところが自分の時間が充分あるようになると不思議とそのような場所に興味がわいて来る。

去年の今頃、秩父の34札所を近所のKさんと歩いて回った、いずれも古い由緒のあるお寺である、一週間に一度のペースでたしか8週間かかったかと思う。
Kさんは奥さんを亡くしてまだ時間がたってなく、私は一緒に仕事をしてきた義理の弟を同じ時期亡くした事情があった、今年も同じ頃になってどちらが云うともなく、また歩いてみるかということになった。
今年は仲間が一人増えて、Fさんが加わる、彼は若い頃から尺八を良くし、近くの弘光寺で「追善供養和讃」の唱え方の講習を受けている。

この三人は近所の歩き仲間で、しょっちゅう近くの小山川を歩き回っているのだが、実はこの三人は昨年の11月東松山市の国際スリーデイマーチで初めて20Km三日間に挑戦したのだが、Fさんのみ完歩、Kさんと私は途中でギブアップした、今年こそは秩父の札所めぐりで足腰を鍛え密かにリベンジを狙っているのだが、はたしてそう旨くいくかどうか。

お寺参りとウォーキングを結びつけて新しい楽しみを見つけたわけだが、江戸時代この秩父札所めぐりも信心半分、旅の楽しみ半分であったそうだ、三人そろって菅笠をかぶりてくてくと山道を行き、お堂の前で和讃を唱え尺八を吹く姿を想像するだけで楽しくなる。