ちょっといい話

世の中悪いことを探せばきりが無い、ましてこのご時勢である。
悪い話をしなければ申し訳ないみたいに新聞、TVなどが騒ぐ、その気で探せばちょっといい話がないでもない。

長年の仕事がら世界の穀物事情には自然に眼と耳がいく、たまご屋稼業は飼料原料の価格に敏感にならざるを得ない、たまごの生産コストの約65%が飼料代で、しかもそのほとんどを海外からの輸入に頼っている。
たまごはその95%が国内で生産されているが、自給飼料による生産が約10%であるからカロリーベースでたまごの自給率は10%弱である。

仮に日本国内の農地が2倍あっても、現在で使用されている畜産用飼料原料穀物は生産できないので、将来とも海外から穀物を輸入することになる。

先日、ロシアの農業相が日本経済新聞あてに小麦を年間150万トン(約75万ヘクタールの農地分)日本へ輸出する話をアナウンスした、日本は年間約500万トンの小麦をアメリカ、カナダ、オーストラリアなどから輸入している。
ソ連邦崩壊時には穀物の輸出どころではなかったが、新しい体制のもとにロシアはエネルギーについで穀物を戦略的輸出産品に位置づけた。

日本にとっては輸入産地の多様化につながるのと、新しく有力な産地が増えたことになる。
地味なニュースであったが、たまご屋おやじにはちょっといい話であった。