曼珠沙華

090911小山川

曼珠沙華


いつもの歩き仲間と週一回ほど近くの小山川を歩いている、見馴川公園から川上に向かって一時間ほど、時には一時間半かけて千本桜橋まで行くことがある、同じ道を折り返して来るのだが、不思議なことに景色が微妙に違う。また一週間のうちに季節が確実に変わっていることに気がつく。

川に沿って歩く楽しみはそこを好む野鳥に会えることと、川魚が見られること、もちろん野草の類も豊富だ、仲間の3人はどういう訳かそれぞれ鳥、魚、植物と興味の対象が分かれているのも面白い、いつの間にか専門を役割分担するようになっていた。

先週は見られなかった「曼珠沙華」の赤い花が申し合わせたように咲きそろっていた。またいつもの橋の上から川面をみると今日は野生の鯉がたくさん見られた、それらに混じって見事な緋鯉が一匹いた、これは初めてのことである。いずれも初老の男たちが橋の欄干につかまり鯉を指差しながら大騒ぎをしている。かわせみが翡翠色を残して一直線に川面を矢のように飛んでゆく、これはとても運が良くなければお眼にかかれない、今日は眼の良いKさんだけが見ることが出来た。

赤い「曼珠沙華」の花をみるたび思い出す詩がある。

曼珠沙華」(金子みすず) 
村のまつりは 夏のころ
ひるまも花火を たきました。
秋のまつりは となり村、
日傘のつづく 裏みちに
地面(じべた)のしたに棲むひとが
線香花火をたきました。
あかい あかい
曼珠沙華