バルト海クルーズ (6)歩く

バルト海クルーズ (6)歩く


この船STAR PRINCESSは全長290m横幅は50mほどある、最上階の甲板を一回りするだけでも10分ちかくかかる、途中階段も多く見晴らしも良い。北欧の夏は夜明けが早く午前4時にはもう日が昇り、夜は午後9時過ぎまで明るい。朝の6時ごろには甲板に人々が集まり、それぞれのお国柄の体操をしたり歩き出したりしている、中国系の人たちは得意の太極拳をしたり存在感を示している。

天候の悪い日、甲板は風が強く歩いて前に進めない時もあった、このような時には屋内ジムのウォーキングマシンで汗を流す人もいたが、私はそれをやる気がしない、太ったハツカネズミが回転する風車?のなかでクルクル駆けている姿をイメージしてしまうのだ。

バルト海に面してこの船が着く港はいずれも歴史があり趣があった、場所によっては接岸できず、船のボートで上陸するところもあった、街の中心部が港から近い場合はそのまま歩き、遠い場合にはバス、電車を利用して自分たちで旧市街まで行き街のなかを歩いて回った、中世時代に造られた街は歩いて生活することが基本であったから、むろんバスなど車が入り込めないので歩くしかない。歴史のある旧市街はどこもそう広くない、地図を片手に歩くのは面白い。

同行した先輩たちはいずれも健脚ぞろいで、特にステーキぺろりのKさんは脚が早い、一人でどんどん先を歩きたちまち居なくなってしまう、奥さんが気をもむことしきり。聞けば大病して最近二度目の手術を終えたばかりという、彼もまたツワモノである。

歩き疲れお腹が空いたら街の通りに面したオープンカフェに腰掛ける、北欧のどの街でも黒パンが美味しい、これとサーモン、ニシンの酢漬け、サラダなどをほおばる、その街の住民になった気分である。