台湾の話 中国人の買い物客

中国人の買い物客

まだ台湾の話は続く、たった五日間の旅行中どこででも中国本土の観光客に出くわした。彼彼女らの手はいつも買い物袋でいっぱいである、同じ中国系の人たちであるにもかかわらず本土の人たちはすぐ私にも区別がつく。
聞けば現在の馬総統は2年前、中国本土からの観光客を自由化したとのこと、そこで中国の金持ち?たちが言葉の通じる台湾に殺到した。なかには旅行団にまぎれて台湾に入国し、そのまま行方を晦ましてしまう者もいる。
日本の都市でも見られるが、彼らの買い物ぶりは凄まじい。売り場はまるで喧嘩騒ぎなのである。台湾でも日本でも金払いの良い大事なお客なので多少の行儀の悪さは大目に見ているが、台湾の人たちにも腹に据えかねることがある。
台北故宮博物館を訪ねた、ここは何度来ても飽きない、中国五千年の宝物がここにはある。ここにも中国の観光客は殺到する、私たちのグループについた新米の女性ガイドが口をとがらせて怒っていた、順番を待って整列しているところへ彼、彼女らはかまわず割り込んで来るのだという、あまりの酷さにか細い彼女は大声をあげることがしばしばであるという。つまり彼らはここでのルールを知らず、自国でやっているそのままをやっているに過ぎない。
30年以上前、日本人が大挙して外国旅行出来るようになったとき、大なり小なり同じようなことが日本人にもあったから彼らのことは笑えない。
しかし、自分たちのルールが世界中どこでも通じると思っている中国の姿勢は単に観光客のみならず、政府の高官にいたるまで一貫している。
これからはこのようなルールの違う隣国との付き合いをいや応なしにせねばならぬ、骨の折れることだが、、、。