1.とぐろを巻く大蛇の上で瞑想するブッダ

1.とぐろを巻く大蛇の上で瞑想するブッダ

世界遺産アンコール遺跡6日間」という旅に参加した、遺跡の近くSiem Reapの同じホテルに4連泊し、アンコール遺跡だけを見て歩く企画であった。
出発した日はあたりにまだ雪の残る寒い日であったが、到着したところは35度をこえる日本の真夏日のよう。飛行機で6時間少々、時差は2時間。時差ボケはないが暑さに身体がついてゆかない。
次の日から遺跡めぐりが始まった、現地まではバスで行くが後はてくてく歩く、遺跡はどういう訳か石の階段が多い、それも急階段で長く続く、登りは息が切れて苦しいだけだが下りは恐ろしい、ひざはガクガクしバランスはとれない。
参加者は私どもを含めて老人が多い、70代、60代が中心で最年長者が80歳それもご夫婦である、この方が一番元気で全工程歩きとおし、皆が嫌がった急勾配の階段も全部こなした。
初日、何といっても印象にのこったのは、「とぐろを巻く大蛇の上で瞑想するブッダ」である。これは国立博物館Siem Reap分館にあった。
今までいろいろな仏像を見てきたが、こんなのは初めてだ。それも一体だけでなく何体も見られた。
そうだ、クメール王朝時代の中心地、アンコールワットとアンコールトムはヒンズー教と仏教が共存し、または融合しているところと聞いてきた。蛇(ナーガ神)はヒンズー教では大事な役割をしている、それがとぐろを巻きその上に乗ってブッダが瞑想している、日本のどちらかと言えば優しい仏像を見慣れている眼には、なんともグロテスクに見える。
後から考えればこんなのはほんの序の口で、驚くことが続く。