たまご屋おやじの独り言 中国(支那)卵の輸入 その四

 大正10年(1921)中国(支那)卵の輸入が最大になったのには理由がある。
記録によれば『第一次世界大戦後、とりわけ大正8年(1919)以降、わが国の一般物価は著しく暴騰し、鶏卵の小売価格も一個8銭ないし10銭にはね上がった。そのため、政府は勅令を以って鶏卵の輸入関税を撤廃して物価高騰を抑制する一策としたが、これによる一般の養鶏家の受けた打撃は大きかった』とある。
この関税撤廃は5年間継続したが、その間、怒涛のごとく輸入卵が増えたことが統計として残っている。その苦しいなか先人たちは生き残ってきた。
これから、私どもの業界を含め日本農業全体がむかえるTPP新時代は、各人それぞれ覚悟を決め、それとともに先人たちの智慧を学び取らねばならぬ。