たまご屋おやじの独り言 中国(支那)卵の輸入 その三

 記録によれば大正10年(1921)、中国(支那)卵の輸入量は最大となり国内消費量の32%を占めていた。
これではならじと官民一体となって「鶏卵自給増産計画』に取り組み、その努力が実り輸入卵をゼロにしたことはすでに話した。
それどころかこの後が凄い、今度は国産卵の輸出を始めたのである。昭和6年(1931)にはじまり昭和15年まで続く、おもな輸出先はフィリピン、ロンドン、シンガポール、、、。輸出量は当時の国内生産量の0.5%になるが、それでも大変な量である。業界の先輩たちの気力と努力には頭が下がる。
さて、いま現在の話をしよう。
輸入卵の比率は殻付き卵換算で5%前後、液卵粉卵など加工卵としで輸入され、殻付き卵はほとんど無い。おもにアメリカ、オランダなどから来て、その輸入関税は20%前後である。鶏肉豚肉牛肉などに比べると、その輸入比率は極端に低く、善戦している。
TPPによりこの関税が無くなれば、この加工卵の輸入が業務用に拡大すること間違いない。その影響は殻付き卵におよぶ。
業界の先輩たちはもっと困難な状況を気力と努力で切り抜けてきた、いまの我々にも出来ない訳はない。