たまご屋おやじの独り言 大不作

  いま穀物の世界では大変なことが起きている。
世界中で生産量の一番多い穀物はトウモロコシ、ついで小麦、米と続く。そのトウモロコシの価格が今週シカゴ相場で歴史上最高値をつけた。
理由は世界最大の生産国であり、輸出国であるアメリカの50年ぶりの大旱魃である。
つい2ヶ月ほどまえの6月には大豊作が予想されていたのが、一転天候の急変によってトウモロコシは前年比15%減の大不作が予想され、価格はうなぎ上りに上昇している。
日本ではトウモロコシを主に飼料原料としてアメリカから輸入しているが、国によってはそのまま人間の主食として利用されているところも多い。
2008年、トウモロコシ不作による価格高騰により、国によっては暴動が起きた、今回はそれを上回ることが予測される。
日本の場合その価格高騰は、まず鶏、豚、牛などの畜産業者に影響がでる、その生産物価格はその生産コストが上昇してもそう簡単には上げてはもらえない。畜産業者は赤字が続けば経営が成り立たず、経営を縮小するか止めざるをえない、すると生産物が足りなくなり価格は経営が成り立つまで上昇する、つまりやっと消費者の方々が負担してくれることになる。長年この繰り返しで鍛えられ、現在残っている畜産業者は猛者ばかりである。
早くて今年の秋遅くとも来年以降、卵肉類など畜産物の価格は間違いなく上昇する。
我々畜産家にとってまた新しい試練の時がきた、だれも恨むわけにはいかない、いままで生き残ってきた以上の智慧を出し辛抱するしかない。