自宅から車で5分のところに重度身体障害者施設「皆光園」がある。
ここは開設されてから40年近くなるが、そこの入所者で渡辺文恵さんがいる。
彼女は現在60才になるが、22才の時にここに入所したという。
生まれた時いらい脳性麻痺を患い、両手足が自由にならず車椅子の生活を続けている。
その彼女が60年間の苦闘と、俳句、詩、物語などをまとめて「みんなの手」として出版した。
勿論、彼女を支えてきた家族、施設の人たち、ボランテアーの方々などの支援があったに違いない。
縁があってその「みんなの手」出版記念パーテイの場所として私どものホールを提供した。
先週の土曜日午後、彼女を支える人たち50名が集まり、お茶とケーキだけの実に和やかな会が開かれた。
カミさんと私は席の後ろでその話を聞いていた、車椅子の彼女の声はうまく聞き取れなかったが、その笑顔は美しく素晴らしいものであった。
今日その本を読んでみた。
それほどの重い障害を持ちながら、自力で勉強し、60年間生きた証としてこの本を残したという彼女の意思の強さには鬼気迫るものがあリ、読んでいて涙が止まらなかった。