たまご屋おやじの独り言 よたよたアメリカ西部旅行 8

「夜の国歌斉唱」

 South Dacoda州Rapid Cityに2連泊したとき、Mount Rushmore National Memorialを夜の8時に見にいった。
ここは木また草一本生えてない岩山に、アメリカ建国の時に功績のあった4人の大統領の巨大な顔が刻み込んである、月の光も無い夜であったからもちろんなにも見えない。
たどり着いた会場ではそのライトアップの儀式が行われていた。
およそ1000人近くの人たちが起立して国歌斉唱し国旗掲揚を見守るなか、しだいに大統領の顔がライトアップされていき、真っ暗闇のなかそれらの彫像が浮かび上がった。
ここに参加している人たちは、おそらく私たちと同じ普通の観光客であろう、その人たちがごく自然に、そして当然のごとく国歌を斉唱し国旗掲揚とともに建国の大統領に敬意を表していた。私はむしろそのほうに心を動かされた。
翌朝再度この場所を訪ねた、強い陽射しのなかあたりの様相ははっきりつかめたが、昨晩の感動はなかった。
異民族の集合であるアメリカ合衆国が、一つにまとまって行動することは容易なことではないだろう、しかしいざという時、国をあげて底力を出せる秘密の一つを見たような気がした。