たまご屋おやじの独り言 Kの鱈ちりとオムレツ

 前回の大雪が降る直前、中学時代の同級生3人とともに「伊豆の踊り子」号で伊豆高原駅に向った、ここには夫婦で同じく同級生のKが住んでいる。
駅からのタクシーが標高200mを超えるころ、あたりには前々回の雪がかなり残っていた。
その晩、Kが材料にこだわって用意してくれた鱈ちり鍋を囲み、取って置きのワインと鹿児島の芋焼酎で6人は時のたつのを忘れた。正直言ってこんな美味い鱈をはじめて食べた、いままでどちらかと言えば鱈を馬鹿にしていたのが恥かしい。
K夫妻は人の真似できないキャリアを持っている、5年まえにこの伊豆高原に住むまでは10年間フランスで生活していた、今でもフランスから年金をもらっていると言う。
そこでの仕事の関係でフランス料理とワインには滅法強い、自分で料理をするのが好きだし、日本料理もこなす。
朝起きるとあたりは真っ白、その雪は止みそうにない。
かねて頼んでおいたことだが、私持参の卵でK自慢のオムレツを作ってもらった。
卵5ヶをボールに割り込む、それに牛乳、ヨーグルト、砂糖、塩をいれかき混ぜて、バターをたっぷり熱したフライパンに入れ溶けたところで流し込む。それからが絶妙な腕さばきでふわりとろりのオムレツを作り上げた。これをもう一度繰り返し6人分とした。
フランスパン、ソセージ、チーズ(ゴルゴンゾーラ+蜂蜜)、サラダと出来立てのオムレツ、コーヒー、もう言うことはない。
もう少しゆっくりしていたかったが、雪でタクシーで動けなくなるという、しぶしぶ山を下った。