鐘撞堂山の山道に毛虫の集団が多く現れ、気味悪く思っていた。
山の仲間がその名前をつきとめてくれ、ケバエの幼虫であることが判明。
毎回、山に登るごとに気になってその様子を見ていたが、それらの集団は、一方は踏み固められた山道に、他方は道はたの柔らかい土の上に陣取っていた。
毛虫の集団は一箇所に数十匹から数百匹が一塊となっている。
最近、早朝の山の温度は5℃前後に冷え込むようになってから、表面が固い山道に陣取った
グループは乾燥と寒さに耐えきれず死に始めた。一方柔らかい土の上のグループは地中にもぐリはじめ地上から姿を消した。
毛虫の陣取る場所によってその生死が分かれたのである。
不思議に思うのは、この毛虫の集団でいったい誰がその陣取る場所を決めるのであろう?
それとも集団で合意して場所を決めるのであろうか?
もうこうなってくると、たんに気味のわるい毛虫でなく、大げさにいえば地球上に生きる同じ仲間のような気がしてきた。