たまご屋爺さんの独り言 八十路の楽しみ その二

たまご屋爺さんの独り言 八十路の楽しみ その二

 七十路からの習慣で、今でも里山歩きと川歩きを楽しんでいる。
ただし、その回数とその距離は大幅に減った。

さいわい自宅の近くには標高330mの鐘撞堂山がある。
この里山はなかなか由緒のあるところで戦国時代、現在の寄居町にある鉢形城を敵から守るための見張り台役を果たしていた。

そういえばこの山の頂上から、眼下に鉢形城跡がよく見渡せる。
敵の襲来を見張り役がここで鐘を撞き皆に知らせたのが鐘撞堂山の由来であろう。
現在頂上にあるこの鐘は戦国時代のものではなく、鐘撞堂山好きの地元の有志が寄付されたものである。

小さな里山といえども、八十路にはとても厳しくよろけて足を踏み外せば谷へ転がり落ちる、それでもなお週に一回春夏秋冬を通して行くのはそれが楽しいからだ。
この里山好きの仲間にも会えるし、毎週移ろいゆく自然の中に身をおくと、不思議なことに人間もこの自然のなかに生かされている一匹の生き物なのだなーと感じることができる。

山川歩きも同じ理由で続けているが、七十路にはあまり感じなかった気持ちの変化である。

あといつまでこの楽しみを続けられるものやら、、、。