尾瀬沼 長蔵小屋

念願の尾瀬沼を訪ねることが出来た。
最初の計画では、真夜中に大清水を歩き出し夜が明けるころ尾瀬沼に着く予定で、暗い山道のためにわざわざヘッドライトを用意した。
正直いうと、このところ暗い夜道など歩いたことがない、昼間ですら路で躓きよろけることが多いのに、徹夜で山道を登るとは、、、。
さすがにリーダーSさんはメンバーを配慮して、一泊二日に計画を練り直してくれた。

朝5時にメンバー3人は車に乗り合わせ、本庄IC、沼田IC、を経て大清水に8時過ぎに到着した、ここまでは車で来ることが出来るが、後は尾瀬沼までゆっくり登って4時間近くかかる。
途中、路を間違えるなどトラブルもあったが、昼時にはリーダーが用意してくれた道具で油揚げや葱たっぷりのうどんをつくり食べたので、少し元気が回復した、歳をとってからの山歩きはキツイ、午後2時すぎにやっと尾瀬沼湖畔の長蔵小屋にたどりついた。
午後5時半には山小屋の夕飯がはじまり、老若男女を問わず丼飯をぱくつき、そこには山小屋独特の活気と和やかさが漂っていた。
夕飯後、日の暮れるまでまだ時間があったので、近くの元長蔵小屋から尾瀬沼の景色を眺めていた、残雪のある燧ケ岳 を湖面に映し薄いもやにつつまれたそれは刻々とその姿を変えていた、まるでこの世でないような美しい景色と静寂さに時を忘れた。 

「この地をして 永遠に幽寂を失わしむことなくして 
 独想し 思索し 瞑想する地ならしめよ 
 青年よ 赤き心よ 風光明媚なるこの湖畔に
 大自然の下に集りて この大自然の美を
 享受せよ  長蔵翁」

元長蔵小屋の壁にかけてあった長蔵翁の言葉である、なんと高い志を持った言葉であろう。
尾瀬の自然を開発から身を挺して守った長蔵をはじめとする三代の人たちによって現在の尾瀬の美しさはある。
山小屋の朝は早い、5時半には朝食となり、身支度してから残雪のある湖畔をゆっくり3時間かけて一周し帰路についた。