一杯のコーヒー

人の出会いとは妙なものである。
初対面のyさんの車に乗って私どもの住む深谷市から一時間ほどの足利市の「アラジン」へ一杯のコーヒーを飲みに出かけた。
岡部駅で落ち合ったのが夕方の7時半であったので腹ごしらえのため太田市内の「しまうま屋」でチャシュウ麺を食べてから足利市に向かった、目的の屋台コーヒー店「アラジン」に着いたのは9時をまわっていたであろうか、その間二人は喋り続けていた。

yさんご贔屓の屋台コーヒー店「アラジン」はなんとも不思議な店で、雨や雪また大風が吹かないかぎり、リヤカーに諸道具を乗せでいつもの路上に出店する、電気は使わずランプで明かりをとり、石油ストーブでお湯を沸かす。
コーヒー豆は人力で粉にし、眼の前でネルドリップ方式でコーヒーを淹れてくれる、何でも今のおやじさんの先代が遠洋航路のコックで中近東でこのコーヒーの淹れ方に出会い、船乗りを辞めてからこの場所で屋台コーヒー店を始めたという、以来同じリヤカーを使い、同じコーヒーの淹れ方をして今年で37年になるという。
きつい香りと味がする今風のコーヒーに比べて、なんとも穏やかな味と香りがする、オリジナルな豆のブレンドによるものか又ネルドリップ方式がそうさせるのか、他に類のないものである。
路上にある椅子は5−6人も座れるであろうか、入れ替わり立ち代りお客さんがやってくる。

ところで私をこの店に連れてきたyさんのことだが、会ったのは今夜が始めてだが、お互いのブログを通して一年近くの付き合いがある、面白いブログがあるなと読んでいるうち、お互いに旧岡部町に住んでいることが分かりびっくりしたのだが初対面にもかかわらず旧知のごとく話ははずんだ、彼は私の息子と同年代であるが特にコンピュータに詳しい、専門的な話には私はついていけないが、彼は分かり易く話してくれる、いつも彼はマイクロソフト社に敵意を感じているらしく、リナックス社の話ばかりしている。

インターネットの世界は人を結びつけると言われているが、身近でこんな出会いがあったので嬉しくてしょうがない、勿論ネットには恐ろしい部分もあるがそれを上回る楽しいことがある。
yさんのブログは http://d.hatena.ne.jp/m_yanagisawa/
今度はカミさんと一緒に「アラジン」に行ってみよう。