4, ヒンズー教と仏教

4, ヒンズー教と仏教

にわか勉強で申し訳ないが、ヒンズー教と仏教はいずれもインドにおいてバラモン教を源流としている。バラモン教に革新的な思想を持ち込んだブッダは当時、危険思想家と考えられた、しかしブッダの考えは当時のインドの社会生活に受け入れられその勢力を伸ばした。特にバラモン教の背後にはカースト制など支配階級に都合のよい制度があった、ブッダはこのカースト制を否定したものだから、支配階級は危機感を覚えた。そこでカースト制を認めなおかつ土着の民間信仰を抱合したヒンズー教を仏教に対抗して支持した。
アンコール遺跡を造り上げたクメール王朝は歴代の王様によってヒンズー教支持派と仏教支持派とにわかれる、それが遺跡として明確にわかれている。世界中、王様は国を治めるために人間の力を超えた力を必要とした、それがここではヒンズーの神々であり、ブッダであった。そこはたんに宗教的崇拝の対象ではなく、この遺跡は当時の最高科学技術を駆使して建設された科学の殿堂でもあり、また最高の智慧をもった僧、学者が集まる大学でもあった。
現在、クメール人の大半は仏教(上座仏教)であり、一部にイスラムカトリックなどがある、ヒンズー教は根付いていない、仏教の生まれ育ったインドに今それは無くヒンズー教が主流、お隣のネパールはヒンズー教が主流で仏教が一部、チベット、タイ、カンボジア、日本では仏教が主流。
大きな流れで見れば、まことに宗教の栄枯盛衰は激しい。