たまご屋おやじの独り言 ポルトガル その後 「沈黙」

よほどポルトガルの旅行が印象が強かったのであろう、もうかれこれ四ヶ月もたつというのにいまだに後を引いている。
遠藤周作の「沈黙」をまた読んでみた、その文庫本の最終ページに2008/7/8読了と鉛筆で書いてあるから三年以上まえに眼を通したことになる、なんど読んでもこの本は気が重くなり恐ろしい本だ。内容は日本でキリスタン禁制の時代二人のポルトガル宣教師が死を覚悟で気の遠くなるほど長い船旅に耐え、いまの長崎に潜入し、そこの隠れキリスタンに会い布教するが、最後に捕らえられ一人は極刑、もう一人は「踏み絵」を踏んだため転向者として生き永らえる。
私にはどこまでが史実でありどこから小説なのか区別できないが、最後の部分は日本側の記録として残っている。
旅行後再度この本を読んだ印象は、ポルトガルの最盛期のときは大航海といい、またキリスト教の布教といいその国民に想像を絶するパワーがあったのだ、しかしそれはごく限られた期間でしかなかった。人間の身体のように国にも力の漲った青年期があり、そして衰えていく。
旅はいろいろなことを教えてくれる