たまご屋おやじの独り言 鐘撞堂山の天狗

鐘撞堂山 山頂より

 世の中には凄い人がいるもんだ、それもすぐ近くの鐘撞堂山にいた。
この山に私が早朝登りはじめてからほぼ二年になるが、きっかけは元旦の初日の出を山頂で迎えるために孫どもとその親たちと一緒に登ったことにある。
二年前の元旦早朝、あたりはまだ暗かったが、山頂では多くの人たちがぶるぶる震えながら初日の出を待っていた、ご来光とともにそこにいた人たちは全員万歳を唱え、山をくだった。
それがとても気持ちが良かったので、そのあと都合のつくかぎり登るようにしている。
その御利益によるものか、体調が良くなったので二年目も続いている。
そこで鐘撞堂山の天狗に出会ったのである、私がかってにそう呼んでいるのだが。
私が山に登るたびにもうこの人は下山の途中である、ほぼ毎朝来ているらしい。
そのうち親しく話すようになり事情がわかった。
天狗ことIさんはこの山の麓に住み、すでに定年退職している。地元の山岳同好会では名物男で、2004年に登り始め9年目の今年はすでに2500回を超えるという。道理で私が行けば会えるはずである。私が登って下るのに約一時間かかるのに、この天狗はその半分少々で帰ってくる、しかも両脚には2kgづつの「重し」をつけて、、、。
目標は9年後の2021年、5000回をめざすと宣言し、その時はお祝いを頼むという。
私が彼を天狗として恐れる由縁である。