たまご屋おやじの独り言 ぶらり旅 20130721 青森港 最終回

 朝8:45、バスは白神山地に向けて青森港を出発した、総勢30名弱。きつい山登りがあると注意されていたためか参加者は少なめだ。
白神ビジターセンターで学習をすませ、さらにバスは山の奥へと進む、行き止まりの狭い駐車場で弁当を食べ、いよいよ世界遺産のブナ林を歩き出す。
バスの仲間は三つの組に分けられ、それぞれにガイドがついた。二組は若くて元気の良い山ガール、最後に私の組は60代と思われる男の人であった。
ブナの山道は、たとえ雨が降らなくても湿気でぐちゃぐちゃしている。堆積したブナの落ち葉が、雨を保水し雫となってあふれだす。
ガイドの工藤さんは寡黙だが、必要なことは的確に説明してくれる、なんどか説明を受けるうちにこの人は只者でないことに気がつく。
この地区になぜ広大なブナ林が残ったのか、個々の動植物についての知識、ブナ林とここに生きている生物また人たちとの共生、この地区に住むマタギの歴史と生活、、、参加した人々が聞きたいことを過不足なく話してくれる。
私は驚いて、山歩きのあと本人に「あなたの話をもっと聞きたいが、もう帰らねばならぬ。ついてはあなたの経験を記録したものがありますか?」と聞いた。工藤さんは言いにくそうに「私が書いた本ではないが、著者の先生方に協力したことがある」といって「白神の意味」自湧社が売店にあることを教えてくれた。さっそく購入し航海を終えてからじっくり自宅で読んでみた。
そしてさらに驚いた、工藤光治さんは白神でも有名なマタギで15歳のときから71歳の現在にいたるまで白神の熊を追い続けているのだ。自然に対して本物の畏敬の念を持つ男のみが持つ風格を彼に感じた。


マタギの工藤光治さん

白神山地のことならなんでも

元気なガイドさん

「白神の意味」自湧社 読んで感動した
著者名の下に協力者工藤光治とある