たまご屋たおやじの独り言 「生きて死ぬ智慧」

 「生きて死ぬ智慧」「いのちの日記」著者柳沢桂子を2冊たて続けに読んだ。
本を読んでいて涙が出たのは久しぶりのことである。
ご存知のとおり彼女は生命科学者であり、同時に今は哲学者そして詩人でもある。
「生きて死ぬ智慧」は彼女流「般若心経」の心訳であり、私にとってどの仏教者の話より説得力のあるものであった。
「いのちの日記」は最初の本を書くにいたった理由を、日記をまじえて記録している。
彼女は科学者として活躍しているさなか難病に倒れ、いらい30年にわたる闘病生活を送る。一時は苦しさのため自分につけられた延命装置をはずして欲しいと家族の者に頼むまでに追い詰められる。
それを乗り越えたときの歌
「ラヴェンダーの野に寝てみたいその次は波打ち際を歩いてみたい」
は心に沁みる。